蒼の光 × 紫の翼【完】
お城
「……まったく、世話がかかる」
「でも、起こせないよねー。こんなに気持ち良さそうに寝てるからさ。男の前でこんなに寝てて、不用心だね」
「手を出さない方が賢明だと思うが」
「……だよね。どんな能力があるかわからないからね」
「ああ。俺も見たことがない」
「攻撃系か守備系か、はたまた回復系か、それとも何もないのか……」
わたしはそんな会話とともに、何か柔らかいところに下ろされた。
まだ眠い……
「ねえ、本当にこの部屋を使わせるの?じじぃども黙っちゃいないよ?」
「俺が黙らせる」
「……それはそれで問題があると思うんだけど」
「今はここだ。危険人物だと断定でき次第、部屋は移させる」
「ところでさ、そろそろ教えてくれない?」
低い声が子守唄のようにわたしの耳に届き、さらに深い眠りへと誘う。
「どうして救ってあげたの?」
「……俺にもわからない」
「それは答えになってない。ちゃんと答えてよ」
「……」
「お得意のだんまり?答えによっては僕は手助けしてあげたいんだけど」
「……部屋を移す」
「え、そんなに秘密事項なの?……あ、ちょっと待ってよ」
わたしはその後、また深い眠りへと落ちていった─────