蒼の光 × 紫の翼【完】
「ここがおぬしの部屋じゃ。特別に個室にしたが、普通なら相部屋じゃ。自由に使え」
「ありがとうございます……」
「服も家具も揃っておるが、足りないものがあれば申せ……今日はもうゆっくりと休むのじゃ。明日から働いてもらうでの」
頭が去って行ったあと、ドアを閉めてまるで糸が切れたようにベッドにダイブした。
わたしは紫姫。どんな力が使えるのかもわからない。
……あ、そういえば、考えた名前教えるの忘れてた。まあ、いっか……
「コナー……」
それがわたしの名前。ここでは男の子なんだから、わたしなんて言ったら変だ。僕、と言わないと……
誰もいないことを良いことに、わたしは眼鏡を外した。
目元がすっきりとした。視界も元の色を取り戻す。
頭はギャップが激しいって言っていたな……まさにそのとおりだった。タレ目で皺があって、小さくて優しそうだった。
けれど、怒ると怖いし、歩くの速いし、杖は痛いし……
たんこぶできてないと良いな……
わたしは叩かれたところをさすった。
……うん、大丈夫そう。
しばらく目を閉じていることにした。寝てしまえば、何も考えなくて済む。何も見ず、何も聞こえない。感じない。
そのままわたしは眠りについてしまった。