蒼の光 × 紫の翼【完】
「……っつ!」



わたしは目を見開いた。身体のあちこちから冷や汗が溢れている。それに頭も痛い。


「な、なに……?」


わたしの名前を呼んでいたのは男の子の声。でも聞き覚えがない。それに……


『わたしはこの世界にいてはいけない存在なの』


この世界って……。でも過去にそんなことを言った覚えはない。


……糖分不足かな?


わたしはちらりと壁にかけてある時計を見た。30分ぐらいしか経っていないようだ。


「目覚め最悪……」


寝る前に無視したもののせいで、目が腫れぼったいし、汗だくだし。クーラーつけてたんだけどな……


わたしはまず着替えて洗面所に行って顔の状況確認をし、冷蔵庫を乱暴に開けて、固まったチョコが最後までたっぷり入ったトッポをやけ食いした。



「よし、復活!」


わたしはさっきの夢のことなどチョコと一緒に腹のなかにおさめ、水分補給をした。


「お母さんは今日は遅くなるって言ってたな……」


わたしにはお父さんはいない。シングルマザーのお母さんと一緒に暮らしている。

毎年お母さんはわたしの誕生日の前日になると、次の日は遅くなっちゃダメだから、と仕事を多く済ませておくのだ。

まだわたしは小さいときは、お母さんの帰りが遅い、と泣きながら家で待っていた。

けれど、だんだんとお母さんの意図がわかってきて、今では逆に嬉しかったりする。



夕飯どうしようかな……



お母さんは夕飯を済ませて帰ってくる。

最近補修が多くてお菓子ばかり食べているから、魚でも食べようかな、とわたしは思って、スーパーへと出かけることにした。



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