蒼の光 × 紫の翼【完】
栗色の馬に乗って街中を駆け巡るケヴィさん。その片手には剣が握られている。
……握ることになってしまいましたね……
青い軍服をたなびかせながら走り続けている。けれど、馬の様子がおかしい。
あっ!足に矢が刺さってる……
その馬の片足には深々と矢が刺さっていたのだ。きっと痛いだろうに、主のために足を踏ん張る。
と、後ろから追手が迫って来た。
黒い軍服の二人組。ひとりが何やら合図すると、された方は路地裏へと回る。
……挟み撃ちをするつもりなんだ!ケヴィさん!気づいて!右から敵が……
……え、右、から……?
右からいきなり飛び込んで来た敵に気がつくのが遅かった彼は、応戦するも後ろから敵に襲われ……
その胸を、剣に貫かれた。
ドサッと落ちる肢体。血は流れ、馬は惑う。
黒い軍服の男二人は何もなかったかのように、去って行った……
え……え……え……
ぴくりとも動かない、大好きなおにいちゃん。
厳しいけれど、いつも手を繋いでくれた優しいおにいちゃん。
なのに、なんで……なんで……
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」