私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~
いつもならすぐに裕美から返信があるのだが、それが来ない。おかしいなあ、と思ってる内に終業時刻になってしまった。
そこで、今度は裕美の携帯にメールした。『メールは見たか?』と。
ところがそれへの返信も来ない。まさか……
俺は不吉な胸騒ぎがし、仕事は途中だったが鞄をひっ掴むと周りに「お先!」と言って職場を飛び出した。もちろん向かう先は裕美の職場だ。
エレベーターを使わずに階段を二つ飛ばしで駆け上がり、総務の裕美がいる辺りまで通路を走った。だが、そこに裕美の姿はない。
「真由美ちゃん!」
俺は裕美の同僚で仲のいい真由美ちゃんを呼んだ。ちなみに真由美ちゃんの苗字を俺は知らず、裕美がそう呼ぶから俺も“真由美ちゃん”と呼んでいる。
もちろん彼女に裕美の所在を聞くために呼んだのだが、真由美ちゃんはビクッとした感じで顔を上げると、俺を見て目を大きく見開いた。
「裕美はどこにいる?」
周りの人間も一斉に俺を見たが、そんな事は気にせず俺は大声でそう聞いた。
「い、岩崎さん。お腹を刺されたんじゃ……?」
そこで、今度は裕美の携帯にメールした。『メールは見たか?』と。
ところがそれへの返信も来ない。まさか……
俺は不吉な胸騒ぎがし、仕事は途中だったが鞄をひっ掴むと周りに「お先!」と言って職場を飛び出した。もちろん向かう先は裕美の職場だ。
エレベーターを使わずに階段を二つ飛ばしで駆け上がり、総務の裕美がいる辺りまで通路を走った。だが、そこに裕美の姿はない。
「真由美ちゃん!」
俺は裕美の同僚で仲のいい真由美ちゃんを呼んだ。ちなみに真由美ちゃんの苗字を俺は知らず、裕美がそう呼ぶから俺も“真由美ちゃん”と呼んでいる。
もちろん彼女に裕美の所在を聞くために呼んだのだが、真由美ちゃんはビクッとした感じで顔を上げると、俺を見て目を大きく見開いた。
「裕美はどこにいる?」
周りの人間も一斉に俺を見たが、そんな事は気にせず俺は大声でそう聞いた。
「い、岩崎さん。お腹を刺されたんじゃ……?」