私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~
忍び寄る恐怖の中で……
バーを出て、私は遠慮したいと言ったのだけど、「心配だから」という事で、岩崎さんにアパートまで送ってもらう事になった。幸いな事に、家の方向は二人とも同じだった。
「あ、そうだ。岩崎さんに聞いてみたい事があったんだ」
最寄の駅を降り、夜道をアパートに向かって岩崎さんと並んで歩きながら、私はふとある疑問を思い出した。
「ん?」
「岩崎さんは5年前の話しかしなかったけど、その後はどうなんですか?」
「と言うと?」
岩崎さんは、私の質問の意味がわからない、って感じの反応を示した。惚けてるのかしら?
「だから、5年前の彼女とはそういう事になったけど、その後の“彼女達”とはどうなったんですか? やっぱり同じだったんですか?」
「さあ、わかんねえ」
「はあ?」
「これからの事だからな。俺、予知能力ないし」
「え? という事は……嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ。彼女が出来たのはあれ以来、つまり5年ぶりさ」
へえー、それは意外だわ……
「あ、そうだ。岩崎さんに聞いてみたい事があったんだ」
最寄の駅を降り、夜道をアパートに向かって岩崎さんと並んで歩きながら、私はふとある疑問を思い出した。
「ん?」
「岩崎さんは5年前の話しかしなかったけど、その後はどうなんですか?」
「と言うと?」
岩崎さんは、私の質問の意味がわからない、って感じの反応を示した。惚けてるのかしら?
「だから、5年前の彼女とはそういう事になったけど、その後の“彼女達”とはどうなったんですか? やっぱり同じだったんですか?」
「さあ、わかんねえ」
「はあ?」
「これからの事だからな。俺、予知能力ないし」
「え? という事は……嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ。彼女が出来たのはあれ以来、つまり5年ぶりさ」
へえー、それは意外だわ……