私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~
“私達”は近所のスーパーに寄り、在庫が乏しくなった食材を買った以外は本当に寄り道せず、真っ直ぐアパートに帰ってきた。そして着替えるとすぐに洗濯や掃除を始めた。いったん落ち付いちゃうと面倒になりそうだから。
ああ、疲れた。
『ご苦労様。てっきり“わたし”がやらされると思ったのに、よく頑張ったわね?』
うん。何かね、妙にやる気出ちゃったのよね……
シャワーを浴びて汗を流し、ビールでも飲もうかなと思っていたら、玄関のチャイムが鳴った。
誰かしら、と思って玄関へ行き、インターフォンで「どなたですか?」と訪ねたら、「荷物をお届けに参りました」と、男性の声で返事があった。
荷物?
通販で買い物した覚えはないし、何だろう。あ、そうか。田舎から何か送ってくれたんだわ。お母さんったら、だったらそうと言ってくれればいいのに……
お母さんはほぼ季節毎に宅配便で何かを送ってくれる。米とか野菜とか。まだ暑い日が多いけど、暦の上では秋になったから、いつものようにまた何かを送ってくれたんだなと思った。
「はーい、今開けます」
と言いながらドアを開けたら、見慣れた制服を着て帽子を被った男の人が立っていた。
「小早川裕美さんですね?」
と言ったその人の顔を見た瞬間、私は心臓が止まるほど驚いた。
ああ、疲れた。
『ご苦労様。てっきり“わたし”がやらされると思ったのに、よく頑張ったわね?』
うん。何かね、妙にやる気出ちゃったのよね……
シャワーを浴びて汗を流し、ビールでも飲もうかなと思っていたら、玄関のチャイムが鳴った。
誰かしら、と思って玄関へ行き、インターフォンで「どなたですか?」と訪ねたら、「荷物をお届けに参りました」と、男性の声で返事があった。
荷物?
通販で買い物した覚えはないし、何だろう。あ、そうか。田舎から何か送ってくれたんだわ。お母さんったら、だったらそうと言ってくれればいいのに……
お母さんはほぼ季節毎に宅配便で何かを送ってくれる。米とか野菜とか。まだ暑い日が多いけど、暦の上では秋になったから、いつものようにまた何かを送ってくれたんだなと思った。
「はーい、今開けます」
と言いながらドアを開けたら、見慣れた制服を着て帽子を被った男の人が立っていた。
「小早川裕美さんですね?」
と言ったその人の顔を見た瞬間、私は心臓が止まるほど驚いた。