飲まないからこそ見える世界
飲んだ後輩
「あの、朝生さん?お酒飲んでるんですか?」
私が声をかけると、朝生さんがこっちを向いた
お酒を飲んだせいか微かに赤くなっている顔
…なにこのひと
めちゃめちゃ色っぽいんですけど
「朝生さん、」
大丈夫ですか?という声はかけることができなかった
…なぜなら、突然腕を引っ張られ
朝生の香水の香りがしたかと思うと、口の中に苦い風味が広がったから
「木岐さんは、誰にも渡さない。」
耳元で囁かれ私の顔が真っ赤になったのは言うまでもない
「あああ、朝生さん!?
いいいいい、今、あの…!」
「ふ、おもしろい。
とりあえず、店でるから。」
そう言って私を引っ張る朝生さん
まったく状況が飲み込めず、ただただ、引っ張られるまま店の外に出た