電車であった彼女
「まっ。頑張ってみれば? 世の中やってみないとわかんないからな」



「簡単に言うなよなぁ」


横目で関川を見ながら呟く。


「そんなん言われてもお前が好きなヤツに告れないのが悪いをじゃねぇか。俺のせいじゃねぇし」


それって投げやりじゃねぇか?
そんなにも僕のやってることが気に入らないか?


「わかったよ。明日同じ電車だったら話しかけてみるよ」


「それは本当に出来るのか?」


関川は疑いの眼差しで僕を見る。


そんなにも信頼ないんだな。僕って。


僕は少し凹みながら、



「今回は絶対に話し掛ける!」


「本山が珍しく本気だ。明日の報告が楽しみだな」


ニヤリと笑う関川を見て、はめられたと思うのは僕だけだろうか…




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