電車であった彼女
「なにをきょどってるの? あの時ものすごくかっこよかったのに…
あっ! あなたの名前は? あたしは神宮 玲奈(ジングウ レイナ)って言うんだ」


彼女はニコニコ笑いながら、早口で言う。


僕はそんな彼女に驚きながらも、


「僕は本山 隆弘」


「本山君ね。本山君はいつもこの電車だよね?」


神宮さんは頭を少し傾けながら聞いてくる。


うっ! 可愛い…


って、そうじゃなくて…
もしかしたら神宮さんは僕のことを知ってた? だったら、昨日まで僕を見て怯えてなかったか?



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