電車であった彼女
「俺が送っといた。自分から作ったチャンスを潰しちゃあいけないと思ったからな」


チャンス…か。


「僕は彼女を好きでいていいのかな…」


前から思ってたことをポツリと呟く。


そう。前から思ってた。僕に好きな人を作っていいのかって。


そりゃあ、そう思うのは自分の自信の無さからくることだろうけどな。


「せっかく俺が作ったチャンスを逃す気?」


「そうじゃないけど…」


「だったら行けばいいじゃねぇか」


「そうなんだけど…」


怖いんだ。告白したら逆に嫌われてしまうのではないかって。


「お前…また余計なこと思ってる?」


関川はため息混じりで尋ねた。





< 38 / 64 >

この作品をシェア

pagetop