電車であった彼女
数分待って電車が来て僕と神宮さんはその電車に乗った。


「そういえばT駅の周辺ってあんま行ったことない」

僕にとってのT駅はただの乗り換えのための駅だったから。


「あれ? そうなの? あたしは友達とよく立ち寄るから」


「へぇ〜。そうなんだ。T駅って何があるの?」


「服屋さんとか雑貨屋さんに〜。あとはカフェがあるよ。そだ! 今日はそこに行きましょう」


神宮さんは生き生きしながら話す。


相当T駅に行ってるんだな。さっきと違って生き生きしてる。


神宮さんを見てるとなぜか落ち着いてしまう自分がいて笑ってしまう。


「ちょっ! 何を笑ってるの?」


少し怒ったような顔をしながらこっちを向く。


ここでかわいいって思ってしまう僕は変なのかもしれない。


「かわいいなって…」


ボソリと言ったはずが彼女には聞こえてたみたいで彼女は顔を赤くする。


そんな彼女を見て僕も一緒になって赤くなったのは言うまでもないだろう。




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