電車であった彼女
僕の様子を見て関川は笑いだした。


「お前。それでよく好きとか言えるよな」


「わっ、悪かったな。
一目惚れなんだからしゃぁねぇだろうがっ!」


僕は怒りで顔が赤くなる。


「そう怒るなって!
そうか。一目惚れか」



関川はさっきまでのつまらなそうな顔から一変して楽しそうだった。



なんかムカつくな。


「本山!
話はそれだけか?」


関川は生き生きした顔で尋ねた。


「もういいよ!」


僕は関川に話すのも嫌になって自分から話すのを放棄した。



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