電車であった彼女
なんだろう…。


そう思いながらえみさんに近づく。


するとえみさんはヒソヒソ声で話し出した。



『本山君はレナちゃんのこと、好きなの??』


「えぇぇ〜」


僕は思わず大きな声を出してしまった。


なっななな、なんでわかってるの?


僕が大きな声を出したのでえみさんはすかさず持ってたお盆でコツンって僕の頭を叩いた。


『お店で大きな声を出さない!!』


叩いた後に小さな声で注意した。


『その反応だとレナちゃんが好き…みたいだね』


ニヤリッと笑いながらえみさんは言った。


『なんで…わかったんですか?』


僕がそう聞くとえみさんは威張ったように、


『そんなの本山君見てたらわかるわよ』


『そうですか』


僕は少し気落ちしながら答えた。


『じゃっ、あたしは仕事に戻るから本山君は彼女の所に戻りなさい』



「そうかそうか〜。フフッ」


そう呟きながらえみさんはキッチンに戻っていった。



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