南の空


それから月日がたって中2になり、あたしは知り合いの店でキャバクラを始めた

あたしの実年齢を知っているのはオーナーとボーイとヘアーメイクの女の人だけで、もちろんアンダーで雇ってもらってるから実年齢を隠して18設定でやっていた

14だからまだ顔も幼く見えることもあってヘアーメイクや化粧も念入りにやってもらっていた

もう中学もまともに行ってなかったから学校なんて気にせずにほぼオープンラストで入っていた

大体ヘアメもあるから19時にはお店に入ってオープンが21時でラストは基本お客さんがいるまで

いつも送りで帰れるのは朝の6時頃だった

1週間ほどして慣れてくると少しずつお客さんが付いてきた

「しほさん、指名です」

しほと言うのはあたしの源氏名

なんとなく、しほって名前可愛いなって思って適当に付けた

「はーい」

基本キャバは話すのが仕事だから酔ったら仕事にならないため、みんなボトル以外はお酒に見せかけたソフトドリンクを飲んでいた

ウーロンハイって言うとウーロン茶がでてきて
ウーロンハイ濃いめって言うとウーロンハイが出てくるようなそんな仕組み

あたしは大体カシスオレンジに見立てたグレープジュースを飲んでいた

ごくまれに、それちょっと飲ませて~って言われて危ないときもあるけど、まー大丈夫

みんな酔ってて気付かない

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