南の空

「失礼します」

いつものように軽く挨拶をしてから客のと客の間に座る

「ご指名ありがとうございます。しほです」

あたしは、普段から人見知りなため本当だったらこの仕事は向いていない
だけどテーブルに付いちゃえば全く別の人格が生まれる

遊びだってそう

その日のいく場所、人、気分によって服や化粧を変える

「しほちゃんか~何歳?」

「18です♪」

「若いな~笑」

大体こんなようなやりとりから始まる

でもただ話すだけじゃ意味がない
最初のテーブルに付いてからの15分が勝負
そこでどれだけ相手を知れてどれだけあたしを知ってもらえるか
それによってはここからの動きが変わってくる

しばらくして話に一段落ついた

…よし。チャンス

「あのー、第2の乾杯ってことであたしも飲み物いただいてもいいですか?」

敬語は基本だけど、あまり丁寧語すぎると距離感が出てしまい、よくない

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