サイコーに不機嫌なお姫様。



ようやく下山してコテージに着いた。



「なお! よかった。大丈夫?」


「心配かけてごめんね」



とりあえずあみちゃんと相馬になおのことをお願いした。



「シャワーあびて服着替えて。相馬! なお、足くじいてるみたいだから応急処置してあげて」



元サッカー部だから捻挫とかの類の処置の知識はある。



「俺は翔汰たちに見つかったこと伝えてくる」


「待って。私も一緒に謝りに行く」


「俺が言っとくから。自分の口から言うのは明日にして今はシャワーが先!」



そう言ってコテージを出て公園まで雨の中を走った。



「翔汰! なお見つかったよ!」


「本当? よかった!」



他の友達もなおのために雨の中を探してくれて本当に感謝の気持ちでいっぱいだった。



「やっぱり登山道にいた?」


「うん。足くじいて歩けなかったみたいでさ……助かったよ。翔汰に言われなかったら登山道なんて思いつかなかった」


「一応なおの従兄だからね。小さいころからハイキングとか好きだったし……」



また俺の知らない二人か。


忘れてたけどあの涙……気になる。





< 109 / 202 >

この作品をシェア

pagetop