サイコーに不機嫌なお姫様。



ほ……本番のはずが



「いらっしゃい! 母のとよこでーす!! なお! お寿司もうすぐ届くから畳の部屋にとおして!」


「あの……僕、なおさんとお付き合い……」


「堅苦しい挨拶はあとあと! お父さんと話してて! 後から改めて挨拶するからっ!」



……す、すげーパワフルな母親。



「ツッチー。お父さんはこんなもんじゃないから覚悟しなよ」



ニヤリと意地悪な笑みを浮かべるなおに俺の心臓はドキドキ。



ある意味、サッカーのPK戦より緊張するんだけど! 


「お父さん。連れてきたよ」



畳の部屋にとおされた俺。母親もそうだったけどかなり若い父親。



短髪に黒渕メガネ。切れ長のつり目に体つきはしっかりしてて見た目と雰囲気は……怖い。



「どうぞ。かけて下さい」



言われるがままにひかれた座布団に正座する俺。



「なおさんとお付き合いさせて頂いてます。土屋です」



……と言い終えた瞬間。ガシッと俺の腕をとる父親。


は?は?俺何か粗相した!?たらりと変な汗が出る俺。



無表情の顔で沈黙が続いたと思ったら……



「ありがとうっ!! なおには彼氏なんてできないんじゃないか心配してたんだよっ!!」



一一へぇ? 





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