サイコーに不機嫌なお姫様。
「裏切る……? どういうこと?」
体の震えが止まらないなお。一体どうしたんだよ?何があったんだよ?
「今朝……目が覚めたらラブホにいた。記憶がないの」
やっと絞りだした言葉。俺はすぐに理解ができなくて……
「昨日……専門学校の友達と飲みに行くって言ってたよな? なんでそんなことに……」
「言い訳はしない……いくらお酒が入っていても、記憶がなくても、浮気は浮気だから……私バカだよね。友達だと思ってた奴とホテルに行くなんて」
なおはそれだけ言って逃げるように俺の手からすりぬけてアパートから走り去って行った。
「……えっと」
呆然とその場に立ち尽くす俺。
仕事遅れるな……いや。仕事どころじゃねーや。
とりあえずなおを追い掛ける?
「えっと……」
…………………………。
おっ……落ち着けっ!!
何かの間違いだ!!
なおがお酒で記憶をなくすなんてあり得ない。
しかもあいつの友達がそんなことするわけない。
なおの友達はみんななおを信頼していて、なおも心から信頼できる奴じゃないと友達にならない。