サイコーに不機嫌なお姫様。
なおと別れてから1週間。
俺はなおの職場の前にいた。階段から降りてきたのは慶一郎。ナイスタイミング!
「慶一郎! 久しぶり!」
「わ! ツッチー! なおから別れたって聞いてたからもう会えないかと思ってたよー」
最初はこの慶一郎にやきもちを妬いていたんだっけ?今じゃ笑える話。
「約束してただろ? サッカー部OBの飲み会! 誘いに来たんだよ」
「うわ……覚えてくれてたんだ? 嬉しい!」
そんなやりとりをしている時だった。
階段から降りてくる懐かしい……あの彼女。
「……ツッチー」
なおは驚いた表情を見せて、慶一郎は気まずい顔をする。
そんな空気を吹き飛ばすように、俺は精一杯の笑顔でなおに話し掛ける。
「なお、慶一郎にも言ったんだけど今度飲み会あるからお前も来いよ。相馬とあみちゃんも来るから!」