サイコーに不機嫌なお姫様。
「……て、なお番号変えたんだっけ? 教えて。赤外線で交換!」
「は? あんたと別れるために変えたのに教えるわけないじゃん」
さっきまで暗い顔をしていた姫はどんどん昔の表情に戻っていく。
それが懐かしくて……嬉しくて自然と笑みがこぼれた。
「それは彼氏だった時の俺だろ? 友達として交換しようって言ってるんだよ!」
「……なんかのせられてる気がする」
鋭いな……バレバレですかね?俺のやり方は。
「……ヨリを戻そうなんて言わないから。二度と俺はなおの彼氏になることはないから……ね?」
胸が痛い……
なおも傷ついた顔。
ごめんな……
でも本心なんだよ。
俺はもう二度と
なおの彼氏になるつもりはない。
なおは俺の言葉にため息をつきながらバックから携帯を取り出して、番号を教えてくれた。