サイコーに不機嫌なお姫様。



玄関先で見送るふりをして、後ろからなおを抱き締めた。



「な、何よ? 遅れるから離してよ」


「じゃあ、キスして?」


「は? 何で私が!?」



たまらなーい!戸惑うなおは、まじでかわいい!!



「夜までなお待てない。 キスしてくれたら我慢する!」



腰に手をまわして体を引き寄せて顔を近付ける。



「なおから……して?」



どんなに抵抗しても男の俺には腕力では適わないと理解してきた彼女。



観念した様子で俺の左頬を右手で触れる。



「恥ずかしいから……目は閉じて」


「ハイ!」



言われた通りに目を閉じる俺。ん……?なんか……俺のほうがドキドキしてる。


少し間を置いて……そっと触れてくる唇。



ドキドキが止まらない。思わずなおの頭に手を回して深いキスしちゃう俺。



「んっ……!」



ヤバイ。なおのびっくりした色っぽい声。



もう……どこにも行かせたくない。ずっと……俺の傍にいてよ……



彼女の体が壁にもたれかかった瞬間……



一一油断していた俺。



がら空きのボディーを右手でドスッ!!と入れられて見事にクリーンヒット。



「……ってぇー! お前手加減しろぉ……」


「あんたのほうが手加減してよ。バカ!!」



真っ赤な顔して出かけて行っちゃった。余裕がないなおちゃんもかわいいじゃん。





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