サイコーに不機嫌なお姫様。



――土曜日。
同窓会の日。



「準備でもするか。何、着ていけばいいかな?」


「ジャージでいいんじゃない?」



………………………。



「真面目に聞いてるの!! お前センスいいから見立てろ!!」


「……めんどくさいなぁ」



座椅子で雑誌を読んでいたなおは立ち上がって、クローゼットから何着か洋服を出しては俺の体にあてる。



「うーん……メンズものの組み合わせって苦手なんだよね」



……といいつつ、どんどんオシャレにコーディネートされていく俺。



グレイのTシャツにカーキのシャツ。シルバーのネックレスにブラックジーンズ。



「髪もやってあげる」



そう言って器用な手付きでワックスで前髪を流して、フワッと全体にクセをつけていくなお。



「すげー! 俺、かっけー!!」


「自分で言うな。バカ」



さすがなお。美容師のたまご。



「専属のスタイリストにならない?」 


「私は高いよ?」



笑いながら言う彼女。なんか幸せ。彼氏の特権だよなぁ。


この笑顔も


世話をやいてくれるなおも全て。




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