サイコーに不機嫌なお姫様。
顔を近付けた瞬間……
――ゴンッ!!
思いっきり頭突きしてくるなお。ハンパねー!!
「ばっ……舌、噛んだ……」
「私だって痛いんだよ! 石頭!!」
そう言っておでこを押さえながら、玄関に向かうなお。
俺は一人ベッドにうつ伏せ状態。
「……魔女だ。魔女がいるんだ……」
じゃないと、こんなに続けて邪魔なんて入らねーよ!!
「ツッチー! あんたの実家からりんごが届いたよ」
りんご?毒りんご……
まさしく魔女からの贈り物。
「食べる? 皮むこうか?」
笑顔のなお。それ食べて眠りについてくれ。キスで起こして、続きを無理やりやってやるから。
だけど、かわいくむいてくれたウサギのりんご。
「……襲えないな」
「何か言った?」
「別に」
小さな気配り。俺のかわいい姫のほうがまだまだ上手だ。