サイコーに不機嫌なお姫様。



「なおは……? したくならない? まだ、そこまで俺のこと好きじゃない?」



うんとか言われたら確実にへこむな。ドキドキしながら彼女の反応を待つ。



「私は本気で好きにならないと付き合わない。生まれて初めてこの人だって思ったのがツッチーだよ?」



恥ずかしそうに答える彼女を見て……もうこんなかわいい言葉、言われたらね……?



「なお……好き。絶対に後悔させないから……ファーストキス、俺にちょうだい……」



絶対に……
幸せにするから……



彼女の言葉を待たずに吸い込まれるようにキス……。


目をギュッと閉じて体中に力が入ってて……



俺はなおの彼氏だからしっかりリードしてやらなきゃ。



優しくキスを繰り返すうちに自然と力が抜けていくなお。



さっきの返事をキスで答えてくれるかのように受け入れてくれて……



調子にのって舌を入れたら……



思いっきり突き飛ばされた。


油断していた俺。


受け身も取れないまま床に転げ落ちる。


痛かった。


それがなおと俺の初めてのキス。




――――……‥‥





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