王様&王子に買われました!?
私が眠りについたころ、二人は話していた。




×  ×  ×




「やっぱり、あいつ譲れねぇ。」




静かにそう透は言った。



「あの子は僕の婚約者だよ。」




真琴がニヤっと不敵な笑みを浮かべた。




「俺がおとせなかった場合だろ?」




自信を持った顔をして言うと。





「おとせたらだろ。ずっと昔からあの子が婚約者で・・・ずっと好きだったんだよ。譲るかよ。」





いつもとは全然違う厳しい口調でそう言い張る。





「十数年の片思いだぜ。」




そういって二人の話は幕を閉じた。




―――――――
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