四つ葉のクローバー



出会ってそんなに立ってない日、咲弥香の中で何だか遊に相談したいって思うようになった。
直感的にこの人に話しても大丈夫な気がしたのだ。


<遊、引かないでね?>
そう言って咲弥香は話し始めた。


先輩に虐められた事


友達が怖くなった事


リスカを始めた事


親が崩れてきた事


寂しかったって、やっと人に言えた。人に言えた事でこんなにも楽になる事だと思ってなかった。



《咲弥香は寂しかったんだよね?苦しいんだよね?まだ中二だよ?もっと人を頼っていいんだよ。言えないならさ、今度からは俺が居るんだからさ。なんかあったら言いな?》


遊の温かい言葉に咲弥香の目からは、今まで夜中に流していた涙とは違う、嬉し涙を流した。初めて流れた嬉し涙。



いつからだった?自分の素を出せなかったのは。弱い所を人に見せなくなったのはいつからだった?


遊に出会った事で、遊だけには見せれた自分の気持ちに自分が1番驚いてた。この時はメールだけの仲だから言えたんだって自分にいい聞かせてた。









まさか、まさかこんな気持ちになるなんて考えてもなかったからだ。
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