「おもちゃ」の恋

セイジは、なんのためらいもなく



おう、ありがとう
家に帰ってから読むよ



・・・と言った。それじゃ意味がない



泣きながら、私は



今、目の前で読んでくれる?
私、セイジに話しておきたいことを
手紙に書いてきたんだ・・・
すごく重たい話なんだけどね



・・・と言った。するとセイジは



すぐに、手紙に目を通し始めた



何度も、何度も読み返すセイジ





・・・これ、本当なのか?
お前、こんな事あったのか?





泣きそうになりながら聞いてきた




そう・・・
私も黙ってればいいのに
セイジには知っててほしかったの

ちょっとした事で
昔のことを思い出したりして
あなたを否定してしまったり
拒んでしまうかもしれない


でも、セイジを想う気持ちは
本物よ・・・信じて・・・


時間がかかるかもしれないけど
頑張って、この恐怖症治すから
・・・隣にいてほしい
ホント、勝手ばかり言って
ごめんなさい・・・



・・・あぁ。言ってしまった・・・



もうだめだよね?









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