私の旦那様は特殊捜査官
その辺を探してみたが、

やっぱり結の姿がどこにもなくて、

オレは焦り始めた。


・・・そんな時、

オレの携帯が鳴り響いた。

着信は、琴美。

何も言わずに回っていたから、

心配して電話してきたんだろう。


「もしもし」

『秀…結は?』

琴美の声は震えていた。

電話越しだと言うのに、それがすぐにわかった。


「それが、いないんだ」

冷静にそう告げる。

『・・・そんな…じゃあ、やっぱり』

そう言った琴美は泣き出していた。



「琴美、やっぱりってなんだよ?」

『秀…結は、誘拐された』

泣き声でそう言った琴美。

…オレは全身の血の気が引いていくのが分かった。


「今すぐ琴美の所に行くから、

事情はそれからだ」
< 10 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop