私の旦那様は特殊捜査官
泣きながら結の名前を呼ぶ。


『・・・ママ?』


「・・・?!!」


受話器越しに聞こえるのは、

聞き間違いなんかじゃない、

結の声だった。


「結!ママよ!わかる?」


『うん、わかるよ』

結の声はいつものように明るい。

結を誘拐した犯人は、結にはまだ、

危害を加えていないと分かって、

安堵の溜息をついた。



「結、元気?結は誰と一緒にいるの?」

『結は、とっても元気だよ。

今は、お兄ちゃんと一緒にいるの』



「…お兄ちゃん?」

『うん、博人お兄ちゃんと・・・

ぁ、ママ、博人お兄ちゃんが代わってって』
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