私の旦那様は特殊捜査官
…そこで電話は切れた。

…冷や汗なのか?

…それとも涙なのか?

自分が今立たされてる窮地に、

どうしていいかわからない。


…たった1時間で、

どう物事を判断しろと?


博人からの条件は何一つ聞いていない。


私に一体どんな条件を出してくるんだろう?


不安で不安で、胸が押しつぶされてしまいそうだ。


…ただただ、時間だけが空しく過ぎていく。

時計と睨めっこしていると、

約束の1時間五分前、

私の部屋のドアが、静かに開いた。


「・・・秀」

「・・・どうした?顔色がかなり悪いぞ?

あまり思い詰めるな・・・

結はきっと無事だから・・・」


そう言って優しく微笑んだ秀は、

私の前に跪くと、そっと抱きしめられた。
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