私の旦那様は特殊捜査官
「・・・わかりました。

どうやって、貴方の傍に行けばいいですか?

私は貴方が誰なのか、貴方が今どこにいるのか、

それすらわかりませんから」


…不本意ではあった。

しかし、結を連れ戻す為には、

他に方法はないと判断した。

・・・秀に何も言えずに行かなければならない。

どんなに怖くても、この条件を呑まなければならない。

・・・秀、

勝手に行く私を許して。



『今夜はもう遅い。

明日に、行く場所を連絡します・・・

今夜はゆっくり休んでください』


そう言った博人は、静かに電話を切った。

…父に教えた番号は、

もう使われていない。

何の意味もなくなってしまった。

すべては振り出しに戻った。

・・・でも、

もう少しすれば、結に会える。

そう思っただけで、恐怖はほんの少し、

和らいだ。
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