私の旦那様は特殊捜査官
「琴美さんは、紅茶がお好きでしたよね?」

「…ええ、何でご存じなんですか?」



「前に、そのような本をお探しで、

僕が紅茶が好きなんですか?と聞いたら、

笑顔で大好きだと言ったじゃありませんか?」


「・・・」

何気ない会話で、

私は覚えていない。

・・・

紅茶を頼んだ博人は、

私と話した出来事をすべて話す。

覚えている事もあったが、

半分以上は覚えていない。

本屋に行くのは、月に1度あるかないか。

いちいち会話をすべて覚えておくのは、

無理に近かった。

それなのに、博人はすべてを覚えている。

とても鮮明に・・・

まるで昨日の事のように・・・

…寒気がした。

博人は、私が本屋ではなく、

違う場所で起きた事も、知っていたから。
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