私の旦那様は特殊捜査官
でも、今は帰れない。

…博人から逃れ、

愛しい娘と、愛しい旦那様を、

この手に抱きしめられるのだろうか?


・・・帰れなかったら?


不安で押しつぶされそうだった。


でも、このネックレスを握りしめているだけで、

心が落ち着いてくる。


『オレがいつも傍にいる。

琴美の事を守るから』

そう言ってくれてる気がして。


…そうよ。

こんなどうしようもない窮地だからこそ、

秀は私を救いに来てくれる。


彼は私にとって、

いつもどんな時もヒーローだから。


…この日から、

私と博人の二人の生活がスタートした。

私はこの部屋から一歩も出る事は許されない。


博人が出かけて、独りになったら、

逃げるチャンスだと思っていたのに、

博人が出かける時は、

博人は私をトイレに閉じ込めて、

出られないようにした。

帰ってきたらトイレからだし、

部屋の中は自由にしていられるが・・・
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