私の旦那様は特殊捜査官
「その場を動かないでください」

「…神崎、お前」

最近警察官になったばかりの神崎。

新米なのにもかかわらず、何事にも一生懸命で、

秀は神崎を特殊捜査官に任命するつもりで、

見習いという形で今回同行させていた人物だった。


「神崎君は、僕の友人ですよ。

貴方が神崎を気に入って、傍に置くように仕向けたのは

この僕の案でした」

博人はそう言って勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

そして、うずくまる私を抱きかかえ、

待機させていた車に乗り込んだ。



「ゲームに参加してほしいと、ネットで募集したら、

驚くほどに人が集まってくれて、本当に嬉しい限りです。

大河内秀さん、貴方に琴美さんを返すなんてことは絶対にしない。

彼女は僕の女神さまだから」


「…博人貴様・・・」

身動きが取れず、ただ博人を睨むことしかできない秀。



「警察は、国家公務員と言う大事な仕事。

それなのに、こんなに容易く入り込めるのはどうかと思いますよ。

今後の対策を考えた方がいい・・・

神崎君、僕たちが見えなくなるまで、その男の事、

宜しくお願いしますね」

博人の言葉に、神崎は頷いた。
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