私の旦那様は特殊捜査官
家に帰った私と博人。

博人は私の傷を確認した。

傷は浅く、大したものじゃなかった。


「すみません、貴女を傷つける予定じゃなかったんですが。

貴女の体に傷跡を残してしまいますね」


手当てをしながら、博人は申し訳なさそうな顔で謝る。


「・・・こんなことしても、

貴方は幸せにはなれないわ・・・

私は、貴方を好きになる事も、ましてや愛するなんて事も、

死んでもない」

そう言って涙目で博人を睨む。

でも博人は澄ました顔で、私を見つめる。


「いいえ…琴美さん、

この世に永遠なんてものは存在しないんですよ。

時が経てば、何もかも変わってしまう。

琴美さん、貴女のその気持ちも、時が来れば必ず変わる。

僕と一緒にいれば、いつか、必ず、僕を愛するようになる」


「そんな事…ぅ!」

言い返そうとしたが、それは叶わなかった。

突然の吐き気、目の前が歪み、

私は倒れこむ。

博人は私を支えるように抱きしめた。


< 71 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop