私の旦那様は特殊捜査官
…私は一体どれくらい眠っていたのだろうか?

ゆっくりと目を開けると、辺りはすっかり暗くなっていた。

・・・ここはベッドの上?

横に目線を移すと、そこには、パソコンに向かう、

博人の姿があった。


さっきの体調不良に驚いている。

でも無理もない。ここにきてからずっと、

緊張と不安で、熟睡する事も、気を休める事もない。

精神的にも、体力的にも、切羽詰まってる状態。

…後、どれくらい、こんな生活が続くのだろう。

…もしかすると、このまま一生博人と共に、

過ごさなければいけないのかもしれない。


「…あ。目が覚めましたか?」

パソコンを閉じた博人は、私の方へとやってくる。


「・・・」

私は何も言わず、ただ頷いた。


「過労、ですかね?少し熱もあるようだし・・・

一度、病院に行った方がいい…明日、仕事を休んで連れて行きますから」


「…でも、そんな事をしたら、

バレるんじゃないですか?」


「もちろん、大河内琴美さんの名前で受診すれば、ね?」

そう言って何か企んでるような笑みを見せた博人。

この人の考えてる事は、私にはわからない。
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