私の旦那様は特殊捜査官
「それだけの覚悟がおありなら、大丈夫でしょう。

傷もそのうち癒えていきます・・・

ただ、今ない記憶の中で、少しずつ思い出すこともあると思うんです。

楽しい事はもちろん、監禁されてる時の辛い記憶も・・」


「・・・はい」


「私どもも、出来るだけの事はしていきますが、

やはり、彼女の本当の支えになってくれるのは、貴方やご家族です。

琴美さんのご両親にも、協力してもらって、しっかり支えてあげてください」


「もちろんです、先生にも、何かとご迷惑おかけするかもしれませんが、

宜しくお願いします」


「頑張っていきましょうね」

オレと先生は固く、握手を交わした。


…間もなくして、もう一度病室に入って琴美と話をしようと、

ドアを開けた・・・が、琴美は安らかな顔で、眠っていた。

琴美の寝顔を見つめながら、優しく頭を撫でる。


助けた事が遅れたせいで、琴美はたくさん辛い思いをしたに違いない。

返ってきた今、オレは琴美、お前を、しっかり支えていくから。


…オレはある決意を固め、

警察署に向かっていた。


…すべては、琴美をこの手で守る為。

家族の愛を取り戻す為。

オレはこれにすべてをかける。
< 87 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop