私の旦那様は特殊捜査官
「署長、オレは後悔なんかしません」

「それは言い切れるか?」


「・・・」

先の事なんかわからない、だから言い切れるとは言えなかった。


「秀、君は根っからの警察官だ。

職を変えても、長続きはしないだろう・・・

琴美の記憶が戻り、いざ警察官に戻ろうとしても、

長い事、現場から離れてしまえば感も鈍る・・・

駐在勤務でもいいから、警察官でいる事だけは、絶対にやめるな。

いいな、秀」


「…少し、考える時間をください」


「あぁ、よく考えなさい。

どうすれば皆が幸せになれるのか、何日かかってもいいから」


…オレは署長に辞表を預けたまま、署長室を出ていった。


『みんなが幸せになれる方法』


それは一体何なのか。

オレは回転の鈍った頭で、精一杯考えた。

子供たちの事、琴美の事、そして自分の事・・・


どうすれば、誰も悲しまずにいられるのか・・・
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