私の旦那様は特殊捜査官
それから数日間。

オレは、毎日琴美の病室に通った。

時間が許す限り、琴美の傍に。


「秀、何で仕事に行かないの?」

「・・・長い休暇を取ったからだよ」

オレの言葉に、突然琴美の顔が険しくなる。


「・・・もしかして、私の為に?」

「…違うよ」


「違わないでしょ?…私がこんな目に遭ったから。

私の事を気にして、仕事に行かないんでしょ?」

「だから、違うって「嘘つき」


「・・・・」

そう言った琴美は、オレの肩を叩いた。

なんて言えばいいんだ?今の琴美に、仕事を辞めるなんて、

言えるはずがない。


「責任感じて、警察官辞めるなんて許さないから」

「え?!」

…心を読まれたのかと思った。

オレが考えてる事なんて、琴美には何でもお見通しなんだって。


「秀から警察官っていう仕事を取ったら、何にも面白くない」

「…面白くないって」

琴美の言葉に、少し呆れた顔をする。
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