私の旦那様は特殊捜査官
「秀は警察官じゃなきゃ、秀じゃないもの。

警察官の秀が好きなの。誰かの為に、いつも一生懸命な

秀が好きなの…

だから、辞めるなんて言わないでね・・・

私たちって、夫婦なんでしょ?子供もいるんでしょ?

私のお腹の中にも赤ちゃんがいるのに・・・

辞めるなんて言ったら・・・別れるから」

そう言った琴美は、オレに抱きついた。

…顔は見えないけれど、琴美の体が震えてるのが分かった。

琴美が泣いてる・・・


「琴美…」

「私の為を想うなら、絶対辞めたりなんかしないで」

「・・・」

琴美の言葉が嬉しかった。

いくら覚えていないとっても、その前の事件は覚えているはずだ。

自分が事件に巻き込まれても、苦しい思いをしても、

オレが警察官でいる事を嫌がらないでいてくれてる。


…結の為にも。

結はいつも言っていた。

『大きくなったら、パパみたいな警察官になる』って。


・・・これから生まれてくる赤ちゃんの為にも。

自分が誇りの思う仕事だって胸を張って言いたい。


…そして自分の為に。

オレはこの仕事が心から好きだと思う。

よく思われない事も多々ある。

逆に助かったって言ってくれる人も同じくらいいる。

警察官の制服を着て、街の人の為に働きたい。
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