羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》
十壱:おひさま
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そこらに転がる、十二単を纏った女の髑髏。
腐敗した肉がこびりつく肋骨からは、おこぼれにあずかっている蛆虫どもがわいている。
大江山の山中、洞窟の先に建てられた鬼の宮で、3人と剛人を率いる武士が、太刀を手にして立っている。
袍を纏った、公家らしい男である。
武士は、なんの肉が分からぬものが盛られた皿を蹴倒し、どっしりと眼前に落ちている鬼の首に刀を振りかぶった。
「己の悪行もここまでじゃ」
刀を振りかざす武士―――もとい、源頼光の瞳を、その鬼の首は怒気が煮えたぎる眼で睨みつけた。
「鬼に横道なきものを‼」
斬……と。
首を斬られてもなお生きる鬼の首を、頼光は真っ二つに斬り裂いた。