羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》
君はとっても優しい。
優しくて、心配性で、騙されやすい。
けど、君には友達が1人もいなかった。
異様に高い身長。
ぎらりと光る、切れ長の眼。
細い瞳孔。
かっこいい、けれど凶悪そうな顔。
それだけで、君は周囲から避けられていたね?
皆、君が優しいのは知っていた。
知っていたけれど、君が怖くて近寄れなかったんだ。
君はいつも孤立して、寮のご飯も1人で食べていた。
でもね……?
僕は、僕だけは、誰がなんて言おうと君のそばにいると決めてるんだ。
君が傷ついたら、僕が守ってあげる、と。
僕は君の肩を抱いて言ったね。
本気だったよ?
クリスマスも、お正月も、お盆も……君がもし1人だったら、僕がいろんなところに連れていってあげよう。
バレンタインも、誰にもチョコを貰えなかったら、僕が作って渡そう。
もし一生……君を好きになってくれる女性がいないようだったら、
僕が愛してあげよう。