羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》
「酒童くん」
天野田はこの3年間のうちに、竹のように成長した。
声も太くなって落ち着きがあり、身長も大人並みに伸びた。
酒童はまだ育ち盛りで、訓練生の平均身長にも達していないが、じきに伸びてくるだろう。
2段ベットの下で寝息を立てる酒童を、天野田は静々と見下ろしていた。
まだあどけなさの残る顔だった。
天野田はそっとかがんで、酒童の顔を覗き込む。
「……ごめんね」