羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》
「鬼門班長は、彼が酒童くんに執着してるのを察したんだろうね。
君がそばにいれば、彼は勝手な行動ができない、と言っていたよ」
「お前ら、そういう情報はどこからくるんだよ。
俺なんか、誰かに聞くまでは知らなかったぞ」
「呪法班のほうが、羅刹隊の内部情報に精通してるからね。
彼らは、戦闘向けの隊員たちより早く、ことを知らされる」
迅速な動きが必要だからねえ。
そう言うと、天野田は腕を枕にする。
「あの野生児には、君が指示を送ることになっている。
間違って、狙撃のための銃弾が仲間に当たったら、たまったもんじゃないからね」
「それも、班長が言ってたことか?」
「ああ。
どうせ1日に一度は君に会うんだから、ついでに伝言を買って出てやったんだよ。
優しいでしょ?」
「本当は、班長直々に俺にいう予定だったのか?」
「多分ね」
「なら、感謝する」