好きだなんて言わなければよかった【完】
*友達<慎也side>
慎也side
「…よーく、考えてみなよ?じゃ、そろそろお邪魔だろうから切るね!また、電話するよー、じゃっ」
オレは、紗綾ちゃんに向かってそう言い放つと、まだ何か言っている彼女を無視して電話を切った。
はぁー、オレってマジ、バカだよな…。
なんで、よりにもよって、あんなこと言っちゃったんだろ
まだ、紗綾ちゃん自身は、真生が紗綾ちゃんを好きだなんて、気づいてないのに…
もしかしたら、まだオレが付け入る隙があるかもしれないのに…
真生を誉めるというか、なんだかんだでフォローしちゃったし…。
そんなことを考えて、肩を落とす。
でも、
たぶん、オレは、
「紗綾ちゃんのあんな悩んだ声聞きたくなかったんだよなー」
それがいちばんの本音。