好きだなんて言わなければよかった【完】
*集合と動揺
――…
「綾乃ちゃーん、聞いてよー、真生がねー最近、私に冷たくてさ」
「あら、美生ちゃん、うちの旭もよー、反抗期かしらねー」
時刻は、午後8時。
酔うには、まだ早い時間帯のはずだけど…
美生さんも私のお母さんも完璧に酔っていた。
そりゃ、久々に一緒に食事するから楽しいのはわかるけどさ…
まだ、旭も帰ってきてないのに。
そう思うと、私は、苦笑いを浮かべた。
「おい、母さん、飲み過ぎ」
真生くんも呆れたように美生さんの手に握られていたビールの缶を取り上げる。