好きだなんて言わなければよかった【完】
「…!!あら!慎也くんって誰なの?美生ちゃん!!詳しく教えてちょーだい」
すぐさま、便乗したのは、私の母。
やはり、いくつになっても、その手の話は大好物なようで…。
「ふふ、つい最近のことなんだけどー、私がちょっと外に出たときにね、ばったり2人が一緒に歩いている現場を目撃したのよ、どうやら、慎也くんが紗綾ちゃんを家に送ってくれてたみたいなのよ!!」
「まぁ、知らなかったわ!!私が当直の日を狙ったのね!やるわね、紗綾!」
興奮気味に話す美生さんと、意味不明なことを誉め出す母、綾乃に私は、ガクリと肩を落とす。
「違うってば!!慎也さんとは、たまたま会ったの!私が委員会で遅くなってたから送ってくれただけって……この前も美生さんに説明したじゃない!」
「あら?そうだったかしら?」