好きだなんて言わなければよかった【完】


「…紗綾?」




ポツリと、部屋の中から聞こえる真生くんの声。




「う、うん!そうだよ!真生くん、いきなり部屋戻っちゃったから心配になって…大丈夫?」




少しだけ、早口になってしまったが、なるべく平静を装って私は、そう言葉を言い放った。





「…あぁ、悪いな、心配かけて…オレは大丈夫だから楽しんできなよ?もうすぐ旭も来るんだろ?」






「…でも」





「…っ、いいからオレのことはほっとけよ!!」




ビクッ




突然、真生くんの声が荒くなり、私は、思わず体が強ばる。




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