好きだなんて言わなければよかった【完】
しかし、
次の瞬間には、
「っ、紗綾…ゴメン。オレ、今ちょっと酔ってるみたいだ…怒鳴ったりして本当に…ゴメン」
そんな謝罪の言葉がドアの向こうから聞こえてきた。
「…う、ううん。私の方こそなんかゴメンね。あはは、全然気にしてないから大丈夫だよ?じゃ、じゃあ、真生くん落ち着いたら後で下に来てね!旭も真生くんに会うの楽しみにしてたからさ」
声が震えるのをどうにか堪えながら私は、そう一気に言葉を吐き出す。
…泣いちゃダメだ…真生くんに心配かけないようにしないと。
頭では、ちゃんとわかっているのに、簡単に震えは止まってはくれない。